「同じ派遣先なのに、派遣会社によって時給が違うのはなぜ?」
「A社は時給1,700円なのに、B社は1,650円だった」
派遣求人を探していると、このような違いを見かけることがあります。
結論からいうと、同じ派遣先・同じような仕事内容でも、派遣会社によって時給が違うことは珍しくありません。
なぜなら、派遣先企業が派遣会社へ支払う金額と、派遣スタッフが受け取る時給は同じではないからです。
私は派遣営業として8年間、企業への人材提案からスタッフの就業、契約更新、時給交渉まで携わってきました。
この記事では、その経験をもとに、派遣会社によって時給差が生まれる理由から、時給の高い派遣会社を選ぶときの注意点、今の派遣会社で時給を上げる方法まで解説します。
この記事の結論
- 同じ派遣先でも、派遣会社によって時給が違うことはある
- 派遣先が払う金額と、派遣スタッフの時給は別
- 企業との契約条件や求人を獲得した時期によって差が出る
- 福利厚生や人件費など、派遣会社ごとのコスト構造も違う
- 経験やスキルによって提示条件が変わる場合もある
- 仕事内容や勤務条件がほぼ同じなら、時給が高い派遣会社を選ぶのは合理的
- 今の仕事で業務範囲が広がったなら、派遣会社を変える前に時給交渉をする方法もある
派遣会社によって時給が違うのはなぜ?
同じ派遣先で、仕事内容や勤務条件が似ていても、派遣会社によってスタッフへ提示される時給が異なる場合があります。
大きな理由は、派遣先企業が派遣会社へ支払う金額と、派遣スタッフの時給が別だからです。
派遣会社は企業から受け取った金額の中から、スタッフの給与だけでなく、社会保険料、有給休暇にかかる費用、営業担当者などの人件費、求人・採用費、事務処理などの管理コストも負担しています。
そのため、
「派遣先企業が同じ金額を払っている=スタッフの時給も同じ」
とは限りません。
派遣会社によって時給が違う5つの理由

① 派遣会社ごとに設定している時給が違う
同じ派遣先の同じような求人でも、派遣会社によってスタッフへ提示する時給が異なる場合があります。
派遣会社は、企業との契約条件や自社のコストなどを踏まえて、スタッフへ提示する条件を設定しています。
例えば、
- A社:時給1,700円
- B社:時給1,650円
というように差が出ることがあります。
そのため求人を探すときは、派遣先企業だけではなく、どの派遣会社から応募するのかも確認しましょう。
② 派遣会社と企業との契約条件が違う
派遣会社が派遣先企業から受け取る金額は、企業との契約によって決まります。
同じ企業の求人であっても、派遣会社によって契約条件が異なる場合があります。
例えば、
- 取引年数
- 取引量
- これまでの実績
- 契約内容
などによって、企業との条件が異なるケースがあります。
その結果、スタッフへ提示できる時給にも差が出る可能性があります。
「同じ派遣先だから、どの派遣会社でも同じ時給」とは限らないと覚えておきましょう。
③ 派遣会社ごとに福利厚生やコスト構造が違う
派遣会社は、スタッフの時給だけを支払っているわけではありません。
例えば、
- 社会保険料
- 有給休暇にかかる費用
- 営業担当者・コーディネーターなどの人件費
- 求人・採用にかかる費用
- スタッフ管理にかかる費用
- 事務処理などの管理コスト
- その他の会社運営費
などがあります。
こうしたコスト構造や事業運営の考え方は派遣会社によって異なります。
そのため、同じような求人でもスタッフへ提示できる時給に差が出ることがあります。
④ 求人を獲得した時期や条件が違う
派遣求人は、常に同じ条件で募集されているとは限りません。
企業側の採用状況によって、募集条件が変わることがあります。
例えば、
- 募集人数
- 採用の緊急度
- 必要な経験
- 勤務条件
- 契約期間
などです。
そのため、同じ派遣先であっても、求人が出た時期や契約条件によって時給が異なることがあります。
「同じ会社の求人だから、どの派遣会社でも同じ時給」と考えないことが大切です。
⑤ 経験やスキルによって条件が変わることがある
求人に記載されている時給が一定の場合もありますが、経験やスキルによって条件が異なるケースもあります。
特に専門性が求められる仕事では、これまでの経験や対応できる業務によって条件が変わる場合があります。
求人を見るときは、単純に時給だけを比較するのではなく、自分の経験やスキルが求人の条件とどの程度合っているかも確認しましょう。
派遣先が払う金額とスタッフの時給は別
ここは、派遣の時給を理解するうえで重要なポイントです。
派遣先企業が派遣会社へ一定の金額を支払っていたとしても、その全額が派遣スタッフの給与になるわけではありません。
派遣会社には、スタッフの給与以外にもさまざまな費用が発生します。
- スタッフの給与
- 社会保険料
- 有給休暇にかかる費用
- 営業担当者などの人件費
- 求人・採用にかかる費用
- 事務処理などの管理コスト
- その他の会社運営費
派遣先企業が派遣会社へ支払う金額 ≠ 派遣スタッフの時給
そのため、「派遣先がいくら払っているのか分かれば、自分の時給も分かる」と考えるのは適切ではありません。
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時給が高い派遣会社=一番いいとは限らない
求人を比較するとき、時給は非常に重要な条件です。
ただし、時給だけで派遣会社を選ぶのはおすすめしません。
例えば、別の派遣会社のほうが時給50円高かったとしても、
- 希望する勤務条件と合わない
- 仕事内容が少し違う
- 交通費の条件が違う
- 福利厚生が違う
- 担当営業に相談しにくい
- 就業後のフォローが少ない
- 希望する仕事の求人が少ない
といった違いがあれば、長く働くうえで不満につながる可能性があります。
同じ求人なら、時給が高い派遣会社を選んでもいい?
結論として、他の条件がほぼ同じなら、時給が高い派遣会社を選ぶのは合理的です。
| 条件 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 仕事内容 | 同じ | 同じ |
| 勤務地 | 同じ | 同じ |
| 勤務時間 | 同じ | 同じ |
| 契約期間 | 同じ | 同じ |
| 時給 | 1,650円 | 1,700円 |
このように仕事内容や勤務条件などに大きな違いがなく、時給だけが違うのであれば、時給の高い派遣会社を比較候補にしてよいでしょう。
ただし、実際には細かな仕事内容、福利厚生、交通費、担当営業のサポートなどが異なる場合があります。
「時給50円高いから」という理由だけで即決せず、総合的に比較することが大切です。
派遣会社を比較するときに確認したい7項目

① 時給
まずは時給を比較しましょう。
同じ仕事に見えても、派遣会社によって提示される時給が異なることがあります。
② 仕事内容
同じ職種名でも、実際の業務内容は異なることがあります。
求人票だけでなく、具体的にどのような仕事を担当するのか確認しましょう。
③ 勤務条件
勤務時間だけでなく、
- 残業
- 休日
- 在宅勤務の有無
なども確認します。
④ 交通費
時給だけでなく、交通費の支給条件も確認しましょう。
時給が高くても、交通費などの条件が異なる可能性があります。
⑤ 福利厚生
社会保険、有給休暇、健康診断など、時給以外の条件も比較します。
⑥ 担当営業のサポート
就業前だけでなく、就業後に相談できるかどうかも重要です。
何か困ったことがあったときに、担当営業へ相談しやすいか確認しておきましょう。
⑦ 契約更新や条件変更時の対応
契約更新や時給について相談したときに、きちんと説明・対応してくれるかも確認しておきたいポイントです。
時給を上げたいなら「派遣会社を変える」以外の方法もある

「今の派遣会社は時給が低いから、別の会社に変えよう」と考える前に、担当営業へ時給について相談する方法もあります。
特に、次のような仕事上の変化がある場合は、営業へ伝える価値があります。
- 以前より担当する業務が増えた
- 新しい仕事を任されるようになった
- 新人教育を担当するようになった
- 以前できなかった業務にも対応できるようになった
ポイントは、単純に「時給を上げてください」と伝えるのではなく、以前と比べて何が変わったのかを具体的に伝えることです。
「以前より担当する業務が増えたので、次回更新時の時給について相談したいです」
「現在は新人教育も担当しています」
「以前はできなかった業務も一人で対応できるようになりました」
このように、現在の仕事での変化を具体的に伝えると、時給について相談する材料になります。
時給交渉の具体的なタイミングや伝え方については、以下の記事も参考にしてください。
派遣会社を変えれば必ず時給が上がるわけではない
別の派遣会社に登録すれば、必ず時給が上がるわけではありません。
同じ仕事内容でも、より高い時給の求人を扱っている派遣会社が見つかる可能性はあります。
ただし、派遣会社を変える前に、次の項目を確認しましょう。
- 本当に時給が高いのか
- 仕事内容は同じなのか
- 勤務条件は同じなのか
- 福利厚生に違いはないか
- 交通費の条件は同じか
- 担当営業のサポートはどうか
時給だけを見て派遣会社を変えた結果、仕事内容やサポート面で不満が出てしまっては意味がありません。
派遣営業経験8年の私が考える「時給比較」で一番大切なこと
派遣営業として8年間働いてきた経験からすると、スタッフが時給を比較するときに一番大切なのは、「時給だけを比べないこと」です。
同じように見える求人でも、
- 仕事内容
- 勤務条件
- 企業との契約条件
- 福利厚生
- 派遣会社のサポート
などが違う場合があります。
そのため、
「どの派遣会社が一番高いか」だけではなく、「どの条件なら納得して働けるか」で比較する
ことをおすすめします。
一方で、仕事内容も勤務条件もほぼ同じなのに、明確に時給だけが違うのであれば、その差は当然比較してよいポイントです。
よくある質問|派遣会社による時給差
同じ派遣先なのに時給が違うのはおかしくない?
必ずしもおかしいとはいえません。
派遣会社によって企業との契約条件やスタッフへの提示条件などが異なるため、同じ派遣先でも時給に差が出ることがあります。
派遣会社を変えれば時給は上がりますか?
必ず上がるわけではありません。
同じ仕事内容でも、より高い時給の求人を扱っている派遣会社が見つかる可能性はありますが、仕事内容や勤務条件なども比較する必要があります。
時給が低いと感じたら営業に相談してもいい?
相談して問題ありません。
特に、業務範囲が増えた、新しい仕事を任された、以前よりできることが増えたなど、具体的な変化がある場合は担当営業へ伝えてみましょう。
派遣先が払っている金額を聞けば、自分の時給が分かりますか?
派遣先企業が派遣会社へ支払っている金額と、スタッフの時給は別です。
そのため、企業が派遣会社へ支払っている金額だけで、自分の時給が決まるわけではありません。
同じ求人なら時給が高い派遣会社を選ぶべき?
仕事内容、勤務条件、福利厚生、サポートなどもほぼ同じであれば、時給が高い派遣会社を選ぶことは選択肢になります。
ただし、時給以外の条件にも違いがないか確認してから決めましょう。
まとめ|派遣会社によって時給が違うのは珍しくない
同じ派遣先、同じような仕事内容でも、派遣会社によってスタッフの時給が違うことはあります。
主な理由は、
- 派遣会社ごとに設定している時給が違う
- 企業との契約条件が違う
- 福利厚生やコスト構造が違う
- 求人を獲得した時期や条件が違う
- 経験やスキルによって条件が変わる場合がある
といったものです。
また、派遣先企業が派遣会社へ支払う金額と、派遣スタッフが受け取る時給は同じではありません。
そのため、
「派遣先が払っている金額が高い=自分の時給も高い」
とは限りません。
派遣会社を比較するときは、時給だけではなく、仕事内容、勤務条件、交通費、福利厚生、担当営業のサポートなども確認しましょう。
そして、現在の仕事で以前より業務範囲が広がったり、できることが増えたりしているのであれば、派遣会社を変える前に担当営業へ時給について相談してみるのも一つの方法です。
時給だけで判断せず、「自分が納得して働ける条件か」という視点で派遣会社を比較することが大切です。


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