「同じ仕事なのに、派遣会社によって時給が違うのはなぜ?」
「派遣会社はどれくらいマージンを取っているの?」
「派遣の時給は、何を基準に決まっているの?」
派遣で働いていると、こんな疑問を持つことがありますよね。
実は派遣スタッフの時給は、単純に「派遣会社が自由に決めている」というわけではありません。
派遣先企業から派遣会社へ支払われる料金、市場相場、仕事内容、スキル・経験、派遣会社の判断など、さまざまな要素が関係しています。
私は派遣営業として8年間、スタッフの就業決定や契約更新、時給交渉などに携わってきました。
この記事では、一般的な時給の決まり方だけではなく、派遣営業の立場から見た「実際に時給が上がりやすいケース・上がりにくいケース」まで、できるだけリアルに解説します。
この記事でわかること
- 派遣スタッフの時給が決まる仕組み
- 派遣会社のマージン率とは何か
- マージン=派遣会社の利益ではない理由
- 営業経験8年で見てきた「時給が上がりやすい人」の特徴
- 派遣会社が利益を削って時給を上げるケース
- 時給交渉が通りにくいケース
- 時給アップを相談するなら、何を伝えればいいのか
- 派遣会社の時給はどうやって決まる?
- 「派遣先企業が払う料金=スタッフの時給」ではない
- 派遣会社の「マージン率」とは?
- 派遣会社によって同じ仕事でも時給が違うのはなぜ?
- 営業経験8年でわかった「時給が上がりやすいケース」
- 派遣会社が利益を削って時給を上げることもある
- 長く働いているだけでは、時給は上がらない?
- 派遣先から評価が高くても、時給が上がらないことがある
- 業務範囲が増えたら時給アップしやすい?
- 時給交渉が通りにくいケース7選
- 「他社の方が時給が高い」は交渉材料になる
- 時給交渉をするなら「希望額」だけではなく理由を伝える
- 時給交渉をするなら、いつ相談するべき?
- 時給アップを狙うなら、職務経歴書にもこだわろう
- 派遣の時給を上げるために意識したい5つのこと
- よくある質問
- まとめ|派遣の時給は「派遣会社が一方的に決める」ものではない
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- 派遣で仕事を探している方へ
派遣会社の時給はどうやって決まる?

派遣スタッフの時給は、主に次のような要素を考慮して決まります。
- 派遣先企業が派遣会社へ支払う料金
- 派遣スタッフへ支払う給与
- 社会保険料
- 有給休暇にかかる費用
- 教育訓練費
- 営業・管理にかかる費用
- 派遣会社の利益
- 市場相場
- スタッフのスキル・経験
イメージすると、次のような構造です。
派遣先企業
↓
派遣会社へ支払う料金
↓
社会保険料・有給休暇費用・教育訓練費・営業管理費・利益などを考慮
↓
派遣スタッフの時給
つまり、派遣スタッフの時給を考えるときは、「自分の時給だけ」を見るのではなく、派遣先企業が派遣会社へいくら支払っているのかという視点も重要です。
「派遣先企業が払う料金=スタッフの時給」ではない

ここは派遣の時給を理解するうえで、非常に重要なポイントです。
例えば、派遣先企業が派遣会社へ1時間あたり2,000円を支払っていたとしても、派遣スタッフがそのまま2,000円を受け取るわけではありません。
派遣会社は、その料金から社会保険料、有給休暇費用、教育訓練費、営業・管理費などを負担しています。
そのため、
派遣先企業の支払料金 > 派遣スタッフの時給
という関係になります。
マージンには社会保険料や有給休暇費用、教育訓練費、営業・管理費、利益などが含まれます。
派遣会社の「マージン率」とは?

マージン率とは、簡単にいうと、派遣先企業が派遣会社へ支払う料金と、派遣スタッフへ支払われる賃金との差額の割合です。
ただし、ここで注意したいのが、
マージン=派遣会社の利益
ではないということです。
マージンの中には、社会保険料、有給休暇費用、教育訓練費、健康診断費用、営業・管理費なども含まれています。
そのため、マージン率が高いから悪い派遣会社、低いから良い派遣会社と単純に判断することはできません。
また、派遣会社のマージン率は事業所・地域・年度などによって異なる場合があります。
派遣会社によって同じ仕事でも時給が違うのはなぜ?
同じような仕事内容でも、派遣会社によって時給が違うことがあります。
主な理由として考えられるのが、次のようなものです。
- 派遣先企業との契約料金が違う
- 派遣会社ごとの利益設定が違う
- 営業担当者の交渉力が違う
- スタッフを集めるために時給を高く設定している
- 市場相場を反映している
- 同じ派遣先でも契約時期が違う
そのため、「同じ仕事なら、どの派遣会社でも時給は同じ」ではありません。
派遣会社を選ぶときは、仕事内容だけではなく、複数の派遣会社で求人条件を比較してみることも大切です。
▶ 派遣会社によって時給が違うのはなぜ?同じ仕事でも差が出る理由を営業8年が解説
営業経験8年でわかった「時給が上がりやすいケース」

ここからは、私が派遣営業として8年間経験してきた中で感じた、よりリアルな話です。
時給アップの相談を受けたとき、営業として重要視していたのは、単純に「長く働いているか」「頑張っているか」だけではありません。
最終的には、派遣先企業から今より高い料金を取れる理由があるかどうか。
これが非常に重要です。
① 他ではなかなか見つからないスキル・経験がある
時給交渉で強い材料になりやすいのが、希少価値の高いスキルや経験です。
例えば、私が営業時代に交渉材料として見ていたものには、
- 応用情報技術者などの資格・知識
- 第一級陸上特殊無線技士などの専門資格
- 1級電気工事士などの専門資格
- 希少な業務システムの経験
- 特定の業界・システムに関する実務経験
などがありました。
ただし、資格を持っているだけで必ず時給が上がるわけではありません。
営業としては、資格そのものよりも、その資格や経験を仕事でどう活かしてきたのか、実際の業務実績があるのかを重視します。
② 直近の就業先で高い時給で働いていた
これも交渉材料になるケースがあります。
例えば、現在の就業先で高い時給で働いていて、次の仕事でも同程度の条件を希望している場合です。
営業側としても、現在の条件から大きく下がる求人を紹介すると、他社へ流れてしまう可能性があります。
そのため、候補者を確保するために、派遣会社側が企業へ条件交渉するケースがあります。
③ 他社へ流れてしまう可能性がある
これは現在就業中のスタッフだけではなく、これから就業する候補者にも当てはまるケースです。
実は、スタッフ本人から「時給を上げてほしい」と言われた場合だけではありません。
営業側から時給アップを提案するケースもあります。
特に、候補者が他社の選考を進めていて、このままだと他社へ決まってしまいそうな場合です。
営業としては、
「この人を逃したくない」
↓
「条件をもう一度見直せないか」
↓
「企業へ料金アップを交渉してみる」
という動きになることがあります。
つまり、スタッフからの時給交渉だけが、時給アップのきっかけではありません。
派遣会社が利益を削って時給を上げることもある
「企業からの請求金額が上がらないなら、スタッフの時給も上がらないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、必ずしもそうとは限りません。
私が派遣営業をしていた中では、企業へ請求する金額を変えずに、派遣会社側の利益を調整してスタッフの時給を上げるケースもありました。
例えば、
- 他社より時給が低い
- 希少なスキル・経験を持っている
- 他社へ流れてしまう可能性が高い
- その人材を確保したい
- 契約を延長してもらいたい
といった状況です。
この場合、派遣先企業から追加の料金をもらえなくても、派遣会社側が利益を削ってスタッフの時給を上げることがあります。
もちろん、すべての案件でできるわけではありません。
それでも、実際の営業現場では、「他社に取られるくらいなら、自社の利益を削ってでも条件を合わせる」という判断がされることがあります。
長く働いているだけでは、時給は上がらない?
ここは誤解されやすいポイントです。
「長く働いているから、そろそろ時給を上げてほしい」と考える人は多いと思います。
もちろん、長期就業はプラス材料です。
しかし、長く働いているという事実だけで、派遣先企業が時給アップに応じてくれるとは限りません。
なぜなら、派遣会社としては、時給を上げるためには基本的に派遣先企業から今より高い料金を取る必要があるからです。
そのため、
「長く働いている」
↓
「だから時給を上げてほしい」
だけでは、交渉材料としては弱い場合があります。
派遣先から評価が高くても、時給が上がらないことがある
「派遣先からすごく評価されているのに、なぜ時給が上がらないの?」
というケースもあります。
これも営業経験からすると、理由はシンプルです。
評価が高いことと、企業が追加で料金を払ってくれることは別だからです。
どれだけ評価が高くても、派遣先企業が「現在の契約料金のままでいい」と考えている場合、派遣会社としてもスタッフの時給を大幅に上げるのは簡単ではありません。
もちろん、評価の高さは交渉材料になります。
ただし、最終的には「企業側が追加で料金を払う理由になるか」が重要になります。
業務範囲が増えたら時給アップしやすい?
業務範囲が増えた場合も、時給交渉の材料になります。
例えば、
- 担当する業務が増えた
- より難しい業務を任されるようになった
- 後輩の教育を担当するようになった
- 以前より責任のある仕事を任されている
といった変化です。
ただし、ここでも重要なのは、派遣先企業がその業務の変化を理由に料金アップへ応じるかどうかです。
業務範囲が増えたからといって、自動的に時給が上がるわけではありません。
時給交渉が通りにくいケース7選

反対に、私が派遣営業をしていた経験から、時給交渉が難しくなりやすいケースもあります。
①「長く働いているから」だけ
長期就業はプラスですが、それだけでは料金アップの根拠として弱い場合があります。
②「仕事が大変だから」だけ
仕事の大変さは本人にとって重要ですが、企業側からすると、それだけでは追加料金を払う理由になりにくいことがあります。
③ 業務範囲が変わっていない
以前と仕事内容がほとんど変わっていなければ、企業側からすると「現在の契約条件で問題ない」と判断されやすくなります。
④ 業務難易度が変わっていない
以前と同じ難易度の仕事を続けている場合も、料金アップの新しい根拠を作るのが難しくなります。
⑤ アウトプットが変わっていない
以前より明確に成果や対応範囲が向上しているなどの変化がなければ、時給アップの説明材料を作りにくくなります。
⑥ 派遣先の予算が決まっている
仕事内容や評価に問題がなくても、派遣先企業側の予算が決まっていて、契約料金を上げられないケースがあります。
⑦ 周囲の派遣社員の時給も低い
同じ職場の他の派遣社員と比べて、自分だけ極端に低いという状況でなければ、派遣先企業からすると時給を上げる必要性を感じにくい場合があります。
「他社の方が時給が高い」は交渉材料になる
営業経験上、これは比較的わかりやすい交渉材料です。
例えば、
「他社では現在の時給より100円高い条件が出ています」
という状況です。
派遣会社としては、そのまま他社へ流れてしまうと契約につながりません。
そのため、企業へ料金アップを交渉するだけではなく、場合によっては派遣会社側の利益を削って条件を合わせるという判断をすることもあります。
実際に私自身、こうしたケースを経験しています。
時給交渉をするなら「希望額」だけではなく理由を伝える
時給交渉をするときは、単に、
「時給を上げてください」
と伝えるだけではなく、なぜ上げてほしいのかを整理しておくことが重要です。
例えば、次のような情報です。
- 現在の時給
- 他社で提示されている時給
- 現在担当している業務
- 以前と比べて増えた業務
- 専門的なスキル・経験
- 派遣先から評価されている実績
- 今後も長く働きたいという意思
特に、「自分が頑張っている」だけではなく、「企業側にも時給を上げるメリットがある」ことを説明できると強くなります。
時給交渉をするなら、いつ相談するべき?
営業経験上、職場見学前のタイミングは相談しやすいと感じていました。
なぜなら、まだ就業が確定していない段階であれば、営業側も企業へ条件交渉をしやすいからです。
一方、すでに就業が決まっていて、契約条件も固まっている場合は、企業側の予算や契約条件が決まっていることがあります。
もちろん、契約更新時などに交渉できるケースもあります。
重要なのは、「時給を上げたい」と思ったら、できるだけ早めに営業担当へ相談することです。
▶ 派遣の時給交渉はいつする?契約更新の1〜2か月前がおすすめな理由
時給アップを狙うなら、職務経歴書にもこだわろう
希少性の高い経験や専門的なスキルを持っているなら、それを営業担当に正しく伝えることも重要です。
例えば、単純に、
「システム経験あり」
と書くよりも、
「○○システムを○年間使用し、○○業務を担当」
のように、何をどのくらい経験しているのかを具体的にしたほうが、営業側も企業へ推薦するときに説明しやすくなります。
特に、他ではなかなか見つからない経験がある場合は、遠慮せず具体的に伝えましょう。
派遣の時給を上げるために意識したい5つのこと
- 他社の時給も比較する
- 希少性の高いスキル・経験を整理する
- 業務範囲や難易度の変化を整理する
- 希望時給だけではなく、交渉理由を伝える
- できるだけ早いタイミングで営業へ相談する
特に重要なのは、「自分がどれだけ頑張っているか」だけではなく、「企業が今より高い料金を払ってでも働いてほしいと思う理由があるか」という視点です。
よくある質問
Q. 派遣会社の時給は派遣会社が自由に決めているの?
完全に自由に決めているわけではありません。
派遣先企業から支払われる料金、市場相場、仕事内容、スタッフのスキル・経験、派遣会社の利益など、さまざまな要素を考慮して決まります。
Q. マージン率が低い派遣会社のほうが時給は高い?
必ずしもそうとは限りません。
マージンには社会保険料、有給休暇費用、教育訓練費、営業・管理費なども含まれるため、マージン率だけで派遣会社の良し悪しや時給を判断することはできません。
Q. 長く働いていれば時給は上がる?
長期就業はプラス材料になりますが、長く働いているだけで自動的に時給が上がるわけではありません。
企業から料金アップを取れる理由があるかどうかが重要です。
Q. 資格があれば時給は上がる?
資格だけで必ず時給が上がるわけではありません。
営業経験上は、資格そのものよりも、その資格や知識を使ってどのような仕事をしてきたのかという実績が重要です。
Q. 他社のほうが時給が高い場合、派遣会社に相談してもいい?
もちろん相談して問題ありません。
他社へ流れてしまう可能性があるため、派遣会社側が時給アップを検討するケースもあります。
場合によっては、派遣先企業への請求額を上げられなくても、派遣会社側が利益を調整して条件を合わせることもあります。
まとめ|派遣の時給は「派遣会社が一方的に決める」ものではない
派遣スタッフの時給は、単純に派遣会社が好きな金額を設定しているわけではありません。
派遣先企業からの請求金額、市場相場、仕事内容、スキル・経験、派遣会社の利益など、さまざまな要素が関係しています。
そして、派遣営業として8年間経験してきた中で特に感じたのは、「長く働いている」「仕事を頑張っている」だけでは、時給アップの決定打にならないことがあるということです。
一方で、
- 他ではなかなか見つからない希少なスキル・経験がある
- 現在の時給が市場相場より高い
- 他社から高い条件を提示されている
- 業務範囲や難易度が上がっている
- 他社へ流れてしまう可能性がある
といった場合は、派遣会社としても時給を上げる理由を作りやすくなります。
また、企業から請求額を上げてもらえない場合でも、派遣会社側が利益を削って時給を上げるケースがあります。
派遣の時給交渉で覚えておきたいこと
「頑張っているから上げてほしい」だけではなく、
「なぜ企業が今より高い料金を払う価値があるのか」
を整理して伝えることが大切です。
私自身、派遣営業として多くの時給交渉を経験してきましたが、時給交渉は「交渉するかどうか」よりも、「どんな理由で、いつ相談するか」が重要だと感じています。
少しでも時給を上げたいと思っているなら、まずは自分の経験・スキル・現在の業務内容・他社条件を整理したうえで、派遣会社の営業担当に相談してみましょう。
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