派遣社員の社会保険はいつから?加入条件・扶養・保険料をわかりやすく解説

派遣スタッフ向け

「派遣社員は社会保険に入らないといけない?」

「週20時間くらいの勤務でも加入する?」

「配偶者の扶養から外れるのはどんな場合?」

派遣で働くとき、社会保険について気になる人は多いでしょう。

特に2026年は、短時間労働者の社会保険適用がさらに広がる予定で、「106万円の壁」と呼ばれてきた賃金要件も2026年10月に撤廃予定です。

結論からいうと、派遣社員でも加入条件を満たせば、健康保険と厚生年金に加入します。

そして派遣社員の場合、社会保険の加入手続きをするのは、基本的に派遣先ではなく派遣元の派遣会社です。

この記事では、人材派遣営業として8年間働いてきた経験も踏まえながら、派遣社員の社会保険についてわかりやすく解説します。

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  1. 派遣社員は社会保険に加入する?
  2. 派遣社員の社会保険はいつから?
  3. 派遣社員の社会保険の加入条件
    1. ① フルタイム社員の4分の3以上働く場合
    2. ② 4分の3未満でも加入対象になる場合
  4. 週20時間以上なら必ず社会保険に加入する?
  5. 2026年10月から「106万円の壁」が変わる
  6. 社会保険の企業規模要件も段階的に変わる
  7. 配偶者の扶養に入っている場合はどうなる?
  8. 「106万円」と「130万円」は何が違う?
    1. 106万円の壁
    2. 130万円の壁
  9. 社会保険料はいくらかかる?
  10. 社会保険に入ると手取りは減る?
    1. 健康保険のメリット
    2. 厚生年金のメリット
  11. 派遣社員の社会保険料は派遣会社が負担してくれる?
  12. 短期派遣でも社会保険に入る?
  13. 派遣会社を変えたら社会保険はどうなる?
  14. 派遣の契約満了で社会保険はどうなる?
  15. 派遣社員が社会保険について派遣会社に確認する方法
  16. 派遣営業経験8年から見ても「加入条件を自己判断しない」ことが大切
  17. 派遣社員の社会保険でよくある質問
    1. 派遣社員は社会保険に入らないといけませんか?
    2. 社会保険は派遣先で加入しますか?
    3. 週20時間なら必ず加入しますか?
    4. 2026年10月から何が変わりますか?
    5. 社会保険に加入すると扶養から外れますか?
  18. まとめ|派遣社員も条件を満たせば社会保険に加入する
  19. あわせて読みたい
  20. 派遣の仕事を探している方へ

派遣社員は社会保険に加入する?

はい。

派遣社員も、加入条件を満たせば健康保険・厚生年金保険に加入します。

ここで重要なのが、

社会保険は派遣先ではなく、基本的に派遣元の派遣会社で加入する

という点です。

たとえば、A派遣会社からB社へ派遣されている場合、社会保険の加入手続きはA派遣会社が行います。

「派遣先の会社が大きいから社会保険に入れる」という考え方ではなく、まず自分が雇用されている派遣元との雇用関係を確認しましょう。

派遣社員の社会保険はいつから?

社会保険の加入条件を満たしている場合、原則として実際に使用関係が発生した日から資格を取得します。

たとえば、4月1日から加入条件を満たして働き始める場合、4月1日が資格取得日になるのが基本です。

ここで注意したいのが、

「社会保険の証明書が届いた日=加入日」ではありません。

加入条件を満たしている場合は、資格取得日を確認することが大切です。

派遣社員の社会保険の加入条件

加入条件は、大きく分けて2つの考え方があります。

① フルタイム社員の4分の3以上働く場合

同じ事業所の通常の労働者と比較して、次の両方を満たす場合、健康保険・厚生年金の加入対象になります。

  • 週の所定労働時間が4分の3以上
  • 1か月の所定労働日数が4分の3以上

たとえば通常の労働者が週40時間・月20日勤務の場合、週30時間以上・月15日以上が一つの目安になります。

ただし、実際の加入判定は勤務先の労働条件などによって異なるため、具体的な条件は派遣会社へ確認しましょう。

② 4分の3未満でも加入対象になる場合

4分の3基準を満たしていなくても、一定の条件を満たす短時間労働者は社会保険の加入対象になります。

2026年9月時点では、主に次のような条件があります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 所定内賃金が月額8.8万円以上
  • 学生ではない
  • 勤務先が一定の企業規模などの要件を満たしている
  • 2か月を超えて雇用される見込みがある

ただし、これらの条件は今後変更されます。

週20時間以上なら必ず社会保険に加入する?

「週20時間以上」だけで一律に決まるわけではありません。

短時間労働者の場合は、勤務時間だけではなく、賃金、学生かどうか、企業規模、雇用期間など複数の条件を確認する必要があります。

また、2026年10月には賃金要件が変更される予定です。

ポイント
「週20時間だから加入」「週20時間未満だから加入しない」と単純に判断せず、就業条件全体を確認しましょう。

2026年10月から「106万円の壁」が変わる

派遣社員の方も特に注意したいのが、2026年10月に予定されている制度変更です。

これまで短時間労働者の社会保険加入条件には、所定内賃金が月額8.8万円以上という要件がありました。

年収にすると約106万円となることから、「106万円の壁」と呼ばれてきたものです。

しかし、2025年の年金制度改正により、この賃金要件は2026年10月に撤廃予定です。

つまり今後は、

「月8.8万円を超えないように働けば社会保険に入らない」

という考え方だけでは判断できなくなります。

特に週20時間以上働く人は、2026年10月以降の制度を確認しておきましょう。

社会保険の企業規模要件も段階的に変わる

短時間労働者の社会保険加入については、企業規模の要件も今後段階的に縮小・撤廃されます。

2026年9月時点では、短時間労働者の社会保険適用拡大の対象となる企業は、原則として厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等です。

その後、2027年10月から対象となる企業規模が段階的に広がります。

時期企業規模・制度変更
2026年9月まで51人以上の企業等
2026年10月賃金要件(8.8万円以上)を撤廃予定
※企業規模要件はこの時点では変更なし
2027年10月36人以上の企業等
2029年10月21人以上の企業等
2032年10月11人以上の企業等
2035年10月企業規模要件を撤廃予定

つまり、2026年10月は「106万円の壁」と呼ばれてきた賃金要件が撤廃される予定のタイミングであり、企業規模要件が変わるのは2027年10月からです。

なお、企業規模の判定に使われる「従業員数」は、単純な在籍人数ではありません。厚生年金保険の適用対象者数を基準として判断します。

また、派遣社員の場合は派遣先の企業規模だけを見て判断しないことが重要です。

自分の社会保険については、雇用関係のある派遣会社に確認しましょう。

配偶者の扶養に入っている場合はどうなる?

配偶者の健康保険の扶養に入っている人にとって、社会保険加入は特に気になるところでしょう。

社会保険の加入対象になると、

自分で健康保険・厚生年金に加入する

ことになるため、原則として配偶者の健康保険の被扶養者ではなくなります。

一方、社会保険の加入対象にならない場合でも、収入が増えて年収130万円以上になると、原則として配偶者の扶養から外れることがあります。

その場合、条件によっては勤務先の社会保険ではなく、国民健康保険や国民年金の手続きが必要になることもあります。

「106万円」と「130万円」は何が違う?

ここは非常に混同しやすいポイントです。

106万円の壁

主に短時間労働者の勤務先での社会保険加入に関係してきた基準です。

ただし、月額8.8万円の賃金要件は2026年10月に撤廃予定です。

130万円の壁

主に配偶者の健康保険の扶養に関係する基準です。

社会保険の加入対象にならず、年収が130万円以上となる場合には、扶養から外れる可能性があります。

覚えておきたいポイント
106万円と130万円は、同じ「扶養の壁」ではありません。

社会保険料はいくらかかる?

社会保険に加入すると、給与から健康保険料・厚生年金保険料などが控除されるため、社会保険加入前より手取り額が減ることがあります。

ただし、保険料は単純に「給与の○%」と固定されているわけではありません。

健康保険料は加入する健康保険制度や都道府県などによって異なり、厚生年金保険料も標準報酬月額などをもとに計算されます。

また、社会保険料は原則として会社と本人が折半して負担します。

「社会保険に加入する=保険料を全部自分で払う」ではありません。

社会保険に入ると手取りは減る?

短期的には、手取りが減ることがあります。

たとえば、これまで配偶者の扶養に入っていて社会保険料の負担がなかった人が、自分で健康保険・厚生年金に加入すれば、給与から保険料が控除されるためです。

ただし、社会保険にはメリットもあります。

健康保険のメリット

病気やケガで仕事を休んだ場合の傷病手当金などがあります。

また、出産のために休んだ場合には出産手当金があります。

厚生年金のメリット

厚生年金に加入すると、基礎年金に加えて厚生年金を受け取る仕組みになります。

そのため、

「手取りが減るから社会保険は損」とだけ考えるのはおすすめできません。

現在の手取りだけではなく、保障や将来の年金も含めて考えることが大切です。

派遣社員の社会保険料は派遣会社が負担してくれる?

社会保険料は、原則として会社と本人がそれぞれ負担します。

つまり、

派遣スタッフ本人 + 派遣会社

で負担する仕組みです。

給与明細を見ると、

  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 雇用保険

などの項目が控除されていることがあります。

なお、雇用保険は健康保険・厚生年金とは別の制度なので、加入条件も異なります。

短期派遣でも社会保険に入る?

「短期派遣だから絶対に社会保険に入らない」とは限りません。

雇用期間などの条件によって判断されます。

一定の短期間契約には適用除外がありますが、当初から一定期間を超えて雇用されることが見込まれる場合などは、契約当初から加入対象になる場合があります。

そのため、

「2か月契約だから社会保険なし」と自己判断しないことが大切です。

契約期間や更新予定を含めて派遣会社に確認しましょう。

派遣会社を変えたら社会保険はどうなる?

派遣会社を退職して、別の派遣会社に登録・就業する場合、社会保険は新しい派遣会社との雇用関係をもとに判断されます。

たとえば、

A派遣会社

退職

B派遣会社

で働く場合、A社の社会保険をそのままB社で引き継ぐという考え方ではありません。

B社で加入条件を満たす場合は、B社側で加入手続きを行います。

派遣会社を変えるタイミングでは、次の点を確認しておくと安心です。

  • 社会保険の資格喪失日
  • 新しい派遣会社の資格取得日
  • 健康保険の切り替え
  • 年金の切り替え

派遣の契約満了で社会保険はどうなる?

派遣先との契約が終了したからといって、必ずその瞬間に派遣会社との雇用関係まで終了するわけではありません。

派遣先との派遣契約と、派遣会社と派遣スタッフとの労働契約は別だからです。

そのため、契約満了後も派遣会社から次の仕事を紹介され、雇用関係が続くケースがあります。

一方、派遣会社との雇用契約も終了する場合は、社会保険の資格喪失などの手続きが必要になります。

契約満了後の退職や離職票、失業保険については、以下の記事でも詳しく解説しています。

あわせて読みたい:
派遣の契約満了後はどうする?退職・離職票・失業保険・次の仕事までの流れを解説

派遣社員が社会保険について派遣会社に確認する方法

自分が社会保険の対象なのか分からない場合は、派遣会社に確認するのが一番確実です。

たとえば、次のように聞けば問題ありません。

「今回の就業条件の場合、健康保険と厚生年金の加入対象になりますか?」

「資格取得日はいつになりますか?」

「給与から毎月どのくらい社会保険料が控除される予定ですか?」

「現在、配偶者の扶養に入っていますが、扶養から外れる手続きは必要ですか?」

派遣会社側も社会保険の加入手続きを行う立場なので、分からないことは遠慮せず確認しましょう。

派遣営業経験8年から見ても「加入条件を自己判断しない」ことが大切

派遣営業として企業やスタッフの就業に関わってきた経験からすると、社会保険については、

「たぶん入らない」

「扶養だから大丈夫」

と自分だけで判断しないことが大切です。

特に、次のような場合は加入条件が変わる可能性があります。

  • 勤務時間が変わった
  • 契約期間が変わった
  • 派遣会社を変えた
  • 扶養内から勤務時間を増やした
  • 2026年10月以降も働く

分からない場合は、雇用契約書や就業条件を確認したうえで、派遣会社に聞きましょう。

派遣社員の社会保険でよくある質問

派遣社員は社会保険に入らないといけませんか?

加入条件を満たしていれば、派遣社員でも健康保険・厚生年金に加入します。

派遣社員だから社会保険に加入しない、ということではありません。

社会保険は派遣先で加入しますか?

いいえ。

加入条件を満たす派遣社員は、基本的に派遣元の会社で加入します。

週20時間なら必ず加入しますか?

「週20時間以上」だけで一律に決まるわけではありません。

勤務先の企業規模や賃金、学生かどうか、雇用期間など、他の条件も確認する必要があります。

2026年10月から何が変わりますか?

短時間労働者の社会保険加入について、これまであった月額8.8万円以上という賃金要件が撤廃予定です。

なお、企業規模要件が変わるのは2027年10月からで、2026年10月に企業規模要件まで一気に変更されるわけではありません。

社会保険に加入すると扶養から外れますか?

社会保険の加入対象となり、自分で健康保険・厚生年金に加入する場合は、原則として配偶者の健康保険の被扶養者ではなくなります。

一方、社会保険の加入対象にならない場合でも、年収130万円以上となると扶養から外れる可能性があります。

まとめ|派遣社員も条件を満たせば社会保険に加入する

派遣社員だから社会保険に入らないということはありません。

今回のポイントをまとめると、次のとおりです。

  • 派遣社員も加入条件を満たせば社会保険に加入する
  • 加入手続きは基本的に派遣元が行う
  • 4分の3基準を満たす場合は社会保険の対象になる
  • 短時間労働者にも加入条件がある
  • 2026年10月に月額8.8万円の賃金要件が撤廃予定
  • 企業規模要件は2027年10月から段階的に縮小される
  • 「106万円の壁」と「130万円の壁」は意味が違う
  • 社会保険料は原則として会社と本人が負担する
  • 社会保険には傷病手当金や厚生年金などのメリットもある
  • 自分が対象か分からない場合は派遣会社に確認する

特に2026年は社会保険の適用拡大が進む時期です。

これから派遣で働く場合は、「時給×勤務時間」だけではなく、社会保険に加入した場合の手取りまで含めて条件を確認することをおすすめします。

扶養内で働きたい人は「年収だけ」ではなく、週の所定労働時間・勤務先の企業規模・雇用期間なども確認することが重要です。

※制度について
この記事は2026年9月時点の公表情報をもとにしています。2026年10月以降は制度変更が予定されているため、最新情報は厚生労働省・日本年金機構・派遣会社の案内も確認してください。

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